311日本語教材プロジェクト

311日本語教材プロジェクトとは・・・

このプロジェクトは、本校が作成した311関連の日本語教育教材をネット上に公開することで、日本語を学ぶ人々、日本について学ぼうとする人々に自由に使っていただき、日本語学習・日本文化理解に役立ててもらおうとするものです。

2011年3月11日、日本は未曽有の大震災に襲われました。東北地方を中心に、マグニチュード9.0の大地震が襲い、その後の津波、そして原子力発電所の事故も続き、2万人近い人々が犠牲になりました。現在でも、25万人以上の人が避難生活をしています。

その影響は、社会的にも文化的にも、現在に至るまで日本に大きな影響を与えました。その影響の強さ、広さは、単なる災害のそれを大きく超え、日本社会や文化の変質をも生じさせたと言われています。

このような日本に強い影響を与えた東日本大震災について学習することは、日本や日本語を学ぶすべての人にとって不可欠だろうと考えます。

このような趣旨で、311に関する日本語教材を作成しました。できるだけたくさんの人々に使っていただければと考えています。このプロジェクトは現在も進行中です。今後も、使用可能な教材を増やしていく予定です。

なお、このプロジェクトは、米国の米日財団 (United States - Japan Foundation) の助成を受けました。この場をお借りして感謝の意を表したいと思います。

このプロジェクトに関する発表等

2013年1月
Ari Sato, "Our efforts toward Japan’s 2011 disaster and future possibilities: Limitations and possibilities of the digital archive from the viewpoint of the Japanese language education field" in Opportunities and Challenges of Participatory Digital Archives: Lessons from the March 11, 2011 Great Eastern Japan Disaster, Harvard University
2013年3月
Soichi Aoki, 「311に関する包括的日本語教材の作成(Developing language teaching materials to provide a comprehensive approach to teaching about the 3/11 disasters)」 in 2013 AATJ Spring Conference, San Diego
2013年9月
Soichi Aoki, "Japanese Language Teaching Materials to Provide a Comprehensive Approach to the Teaching of 311 Related Events - Beyond the Insider/Outsider Dichotomy -" in The IUC 50th Anniversary Symposium at Stanford University

HIGH SCHOOL 3-11 PROJECT とは・・・

これは、311 日本語教材プロジェクトで作成された東日本大震災関連の日本語教材の一部を取り上げ、それを高校生向けの教材として作成するプロジェクトです。平井寿信『3・11東日本大震災 君と見た風景』というまんがの一部を題材に、そこで使われるオノマトペの学習等ができるように開発された高校生対象の日本語教材となっています。

この教材の作成についても、米国の米日財団 (United States - Japan Foundation) の助成を受けました。この場をお借りして感謝の意を表したいと思います。

プロジェクト・マネージャー: Norman T. Masuda

協力: Koichi Sano, Joanne Akamine

助成: US-Japan Foundation

311とまんが

吉本浩二『さんてつ 日本旅行鉄道地図帳 三陸鉄道 大震災の記録』新潮社より

この教材では、東日本大震災に関わるまんがを取り上げ、まんがという表現メディアについて考えます。

① 平井寿信『3・11東日本大震災 君と見た風景』(一部抜粋)

平井寿信『3・11東日本大震災 君と見た風景』ぶんか社より

『3・11東日本大震災 君と見た風景』(平井寿信作)から、「前兆」、「地震発生」を選びました。今まで読んだり聞いたりした地震当日の様子と、このまんがを読んで分かった地震当日の様子との違いについて考えましょう。その違いは、まんがというメディアとどう関係するのでしょうか。

著者の平井寿信様をはじめ、ぶんか社編集部の皆様の御厚意により、本ページへの無償転載をご了承いただきました。この場をお借りして心よりお礼申し上げます。

平井寿信『3・11東日本大震災 君と見た風景』ぶんか社より
©TOSHINOBU HIRAI / BUNKASHA

② 吉本浩二『さんてつ』(一部抜粋)

吉本浩二『さんてつ 日本旅行鉄道地図帳 三陸鉄道 大震災の記録』新潮社より

『さんてつ』(吉本浩二作)から、「あの日、あの時間」、「春が来るまでは・・・」から一部を抜粋しました。今まで読んだり見たりした津波の様子と、このまんがでわかった津波の様子との違いについて考えましょう。また、まんがというメディアとそこで表現されていることについての関係について考えましょう。

『さんてつ』(吉本浩二)からの抜粋 (PDF) 

単語表 (Excel) (①〜②の単語が含まれています) 

著者の吉本浩二様をはじめ、新潮社編集部の皆様の御厚意により、本ページへの無償転載をご了承いただきました。この場をお借りして心よりお礼申し上げます。

吉本浩二『さんてつ 日本旅行鉄道地図帳 三陸鉄道 大震災の記録』新潮社より
©koji yoshimoto 2012/shinchosha. Co., Ltd

HIGH SCHOOL 3-11 PROJECT

平井寿信『3・11東日本大震災 君と見た風景』ぶんか社より

これは、平井寿信『3・11東日本大震災 君と見た風景』というまんがの一部を題材に、そこで使われるオノマトペの学習等ができるように開発された高校生向け日本語学習教材です。

まんが、単語表、オノマトペの表等のほかに、授業の仕方、オノマトペ全般について説明するパワーポイントファイルや、授業後のCan-Do-Statementsなども準備されています。

詳しくは、HIGH SCHOOL 3-11 PROJECT-INTRODUCTIONをご覧ください。

プロジェクト・マネージャー: Norman T. Masuda
協力: Koichi Sano, Joanne Akamine
助成: US-Japan Foundation

IUC High School 3-11 Project for High School Students

『3・11東日本大震災 君と見た風景』著者の平井寿信様をはじめ、ぶんか社編集部の皆様の御厚意により、本ページへの無償転載をご了承いただきました。この場をお借りして心よりお礼申し上げます。

平井寿信『3・11東日本大震災 君と見た風景』ぶんか社より
©TOSHINOBU HIRAI / BUNKASHA

悲劇

東日本大震災は大規模災害としてひとくくりに報道されることが多いですが、被災した方々の一人一人にとっては、決して一般化されることのない個人的な悲劇でもあったはずです。この教材では、東日本大震災で起きた数え切れない悲劇の中から、特にマスコミで多く報道され、多くの人々の知るところとなったもの2つを選んで学習します。

河北新報社編集局『再び、立ち上がる!河北新報社、東日本大震災の記録』(筑摩書房)から読み物を抜粋しています。河北新報社編集局の皆様の御厚意により、本ページへの無償転載をご了承いただきました。この場をお借りして心よりお礼申し上げます。
©Kahokushimpo.Ltd. 2012

① 南三陸防災庁舎の悲劇

南三陸町の津波の被害者は、死者566名、行方不明310名にのぼりました。この町の防災意識は非常に高く、日頃(ひごろ)から津波の備えをしていました。防災対策の拠点(きょてん)となる防災対策庁舎(ちょうしゃ)でも、地震直後、いち早く高台(たかだい)へ避難(ひなん)するよう、住民に呼び掛け(よびかけ)ましたが、津波の規模(きぼ)は想定(そうてい)をはるかに上回り、防災対策庁舎を襲(おそ)い、対策に奔走(ほんそう)していた職員(しよくいん)の多くの命が失われました。中でも防災無線(むせん)で避難を呼び掛け続けた女性が津波の犠牲(ぎせい)になったことは、多くの人々の心を打つことになりました。

② 大川小学校の悲劇

東日本大震災が起きたのは3月11日の午後2時46分でした。そのため、子どもたちのほとんどが学校で地震を受けたことになります。各学校では教師が中心となり、集団(しゅうだん)で避難(ひなん)をしましたが、犠牲(ぎせい)となった子どもたちも少なくありません。中でも石巻(いしのまき)市の大川小学校では、集団での避難途中で津波に襲(おそ)われ、全校生徒108人のうち、約7割に当たる74人が亡くなるか、行方不明(ゆくえふめい)となり、その痛ましさが大きく取り上げられることとなりました。また同時に、その時の避難誘導(ゆうどう)が適当(てきとう)だったのかについて、議論が巻き起こる(まきおこる)ことにもなりました。

東日本大震災 新聞の見出しとリードを読む

この教材では、①地震と津波、②福島原子力発電所の事故、③救援活動、④帰宅難民、⑤海外の反応の5つのトピック別に、震災当時の新聞記事を学習し、震災についての基本的な情報を知り、関連語彙を学習します。読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞の記事を使用しています。

教材の目的は、東日本大震災を話題とするときに最低限必要な語彙を習得すること、および最低限の背景知識を提供することで、新聞の事実報道記事の見出しやリード部分を主に学習します。

本教材は、2014年7月以来1年間にわたりご利用いただきましたが、新聞記事掲載の許諾期間終了により、誠に残念ですが2015年6月をもってダウンロードサービスを中止させていただきます。これまでのご利用につきまして、改めてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。


① 地震と津波

② 福島原子力発電所の事故

③ 救援活動

④ 帰宅難民

⑤ 海外の反応

東日本大震災 翌日の新聞

この教材では、震災の翌日(2011年3月12日)の新聞全面を見ることで、震災が当時、どのように捉えられていたのか、どのように報道されたのかを考えます。教材として取り上げたのは、2011年3月12日付読売新聞朝刊の全16面です。教材として、震災翌日の新聞紙面と、各面についての抜粋、解説、そこでの重要表現、全面の単語表が用意されています。

教材の目的は、震災当日に何が行ったのかを翌日の新聞全面を見ることで知ると同時に、震災直後の報道の仕方についても学習し、その影響の大きさや震災に対する見方、その変化、直後の混乱状況等についても学習していきます。

本教材は、2014年7月以来1年間にわたりご利用いただきましたが、新聞記事掲載の許諾期間終了により、誠に残念ですが2015年6月をもってダウンロードサービスを中止させていただきます。これまでのご利用につきまして、改めてお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

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