著作 | The Inter-University Center for Japanese Language Studies (2013) |
発行 | ジャパンタイムズ社 |
価格 | 本冊:¥3,850(税込)/ 393 pages |
ワークブック Vol.1 (Level 1-3):¥2,420(税込)/ 201 pages | |
ワークブック Vol.2 (Level 4-7):¥1,760(税込)/ 132 pages | |
Amazon.co.jpで購入:ペーパーバック | |
Amazon.co.jpで購入:Kindle版(電子書籍) |
Kanji in Context-A Study System for Intermediate and Advanced Learners は、初級のコースを終了した人および中・上級レベルで学習中の人が、それまでに身につけた漢字や語彙の基礎の上に、さらに多くの漢字と語彙を体系的かつ効率的に学び、最終的に常用漢字(2,136字)すべてを理解できるようにするための教材です。本教材は、本冊とワークブックの2種類の教材からなっています。
本教材は、中・上級の学習者に対象を絞り、学習者が常用漢字すべてを理解できるようになるよう段階的に学習が進められる教材として作成されました。
中・上級に特化した教材のため、初級段階で必要となる基本漢字の字形の学習や日常語彙についてはあまり重視されていません。一方、初級段階で学習する漢字であっても、その読みや語例については、中・上級レベルのものを積極的に導入しています。
漠然と習得漢字を増やしていくのではなく、常用漢字すべての理解という到達目標を明確にし、その目標達成のための手順を具体的に提示しています。常用漢字というのは、文部科学省により制定された漢字表で、公文書、新聞、雑誌、書籍など現代日本語を書き表す時の基準とされているものです。日本語母語話者のための学校教育においても、常用漢字の習得が目標とされていることから分かるとおり、日本語母語話者と同等の漢字力と言えます。常用漢字がすべて理解できれば、日本語で書かれた文章に現れる漢字のほぼすべてについて、その読みや意味が推測できるということになります。本教材では、中・上級日本語学習者の漢字学習の最終的な達成目標として相応しいと考えられる「常用漢字すべてのマスター」を設定し、この目標を達成するためのプログラムを具体的に示すこととしました。
中級以上の段階では、学習者に要求される漢字と語彙が飛躍的に増加します。それを効率よく習得するためには、一つ一つバラバラに覚えるのではなく、漢字や漢字語彙の背後にある体系にも目を向けながら学習する必要があります。
一般に漢字には、形・音・意味の3つの体系があると言われています。形の体系というのは漢字の字形構成の一般規則のこと、音の体系というのは字形構成素に基づく漢字の読みの共通性や類似性、そして、意味の体系というのは同じく字形構成素に基づく漢字の意味の成り立ちの体系のことです。 漢字はこれら3つの要素が有機的に絡み合ったものです。このような漢字の体系に関する知識を適切に習得すれば、新しい漢字や語彙の習得を飛躍的に促進すると同時に、知らない漢字や語彙が出てきた時にその意味や読み方を類推できる力がつきます。
漢字の使用頻度等に基づいて漢字学習をしていくと、それぞれの漢字を別々に学習することになります。そのため、漢字間のつながりが無視され、漢字体系の理解が難しくなります。本教材の本冊では、このような漢字の形・音・意味の体系に関する情報が自然に身につくよう、漢字の提出順が工夫されています。
中・上級の学習者にとっては、新しい漢字の習得もさることながら、漢字語彙を増やし、その正しい用法を身につけることも非常に重要です。しかし、もっぱら個々の漢字が学習の中心で、語彙についてはいくつかの例を示すだけであったり、学習者にはあまり重要でない語が提示されたりすることもあり、語の習得には適さない教材も見られます。
本教材では、漢字の学習だけでなく、語彙の学習ももう一つの教育目標として明確に定めました。そのために、本冊では、日本語学習者に重要と思われる語彙を学習段階を加味しながら選び、提示しました。また、本冊で覚えた語彙は、ワークブックで関連語や例文を見ながら、コンテクストの中での使い方が学べるようになっています。
これまでの漢字教材では多くの場合、一つの事項は一度だけ提示され、その時に必ず覚えるというアプローチをとってきました。しかし、漢字にしろ漢字語彙にしろ、一度の学習で100%確実に習得できるとは考えられません。
本教材では、ある段階で漢字を学習している時には、それ以前に学習した項目を積極的に提出することで記憶の定着を図り、同時に未習の項目はできる限り提出せず、提出が必要な場合でも学習者に負担ができるだけかからないように工夫されています。例えば、ワークブックにおけるふりがなは、その段階で未習の語についてのみ、ふるようにしています。また、未習漢字を含む語については、原則としてワークブックの問題とならないようにしています。
また、基本的な語に限って一通り常用漢字全体の理解をし、次の段階でこれら基本語の復習をしながらさらに語彙を増やしていく等、段階を踏んで教材全体の学習を進めていくことができるようになっています。
以上、ステップ1~4の仕方で学習を続け、基本の学習をユニット156まで修了します。基本語はおよそ3,700語あります。これらすべてをマスターすることで、新聞や雑誌など、日常目にする日本語の読み物に現れる漢字のほとんどについて、その意味や読みが推測できるようになるでしょう。
第二段階では、習得した常用漢字すべてについて、語彙を増強していきます。ユニット1に戻り、基本語の復習と共に、◇や「歴」「特」のマークがない語(無印の語)について、基本語についてと同様の仕方で学習をしていきます。基本語学習ですでにすべての常用漢字は既習になっていますので、未習漢字を含む語例(*を含むもの)についても学習をしてください。なお、無印の語については、そのすべてがワークブックで扱われているわけではなく、重要な語、使い方が難しい語に絞っていますので注意してください。基本語の学習時よりも覚えるべき語数は多くなりますが、基本語の学習で常用漢字の字形や読みをすでに習得しているので、基本語の学習時よりも学習は速く進むでしょう。この方法でユニット156まで修了します。
最後に、残った◇や「歴」「特」マークの語について、またユニット1に戻って学習していきます。これらの語は、一般的には重要性が低い語と考えられる語で、ワークブックでも扱われていません(◇の語については、一部ワークブックでも扱っています)。本冊で確認をし、必要に応じて学習を進めればいいでしょう。ただし、常用漢字の読みを100%すべて完璧にできるようにしたい場合は、これらの語も含め、すべて読めるようにすることが必要となります。
漢字をマスターすることは、学習者が初級日本語から上級日本語へと進む鍵となります。この教材は、中・上級日本語に不可欠な漢字・漢字語彙が体系的・効率的に学習できるよう構成されています。
この教材は、日本語学習者が日本語で手紙を書く時に役立つように作られました。外国人が日本で遭遇するであろう様々な場面で書かれる手紙のモデルだけでなく、手紙を書く上で必要な各種情報も盛り込まれています。
第1セクション「基礎」では、手紙を書くことについての文化的背景、手紙のフォーマット、季節の挨拶やその他の決まった表現等の基本事項が説明されています。第2セクション「応用」では、挨拶、依頼、お礼、招待、近況報告、就職の手紙等、例が70以上挙げられています。これらはただ単に様々な目的の手紙の例というだけでなく、様々な待遇レベル、そして書き手と受け手の間の関係によってどのようにその待遇レベルが変化するかといったことも示しています。
学生がこれらの手紙を自分の状況に合わせて簡単に応用できるよう、それぞれの例には待遇レベルに関するガイドマークがつけられています。また、語法や手紙に関するエチケットや慣習についてのノートもついています。
日本語は、相手との関係を意識して話す傾向が強い言語です。そこで、日本語で円滑なコミュニケーションを行うには、会話が行われている場面と会話の目的を的確に把握し、話す相手と自分との関係をわきまえたうえで、その場にふさわしい表現を選んで話すことが重要になってきます。本書は、このような日本語の運用能力を養成するために、中・上級の日本語学習者向けに作られた教材です。いわゆる敬語表現だけでなく、それに伴う随伴行動、社会慣習などを含めて、幅広く「丁寧さ」について学びます。
この教科書は、中級学習者で英語母語話者、またはそれに準ずる学習者を対象に、話し言葉における基礎日本語文法の復習と、学習者が遭遇すると予想される場面における表現意図を含む文型の習得と基本的・日常的な語彙の習得を目的としています。16課から成り、会話文、単語表、Notes on Usage、Grammatical Notes、練習、表現練習という構成になっています。
この教科書は初歩の日本語教育(初歩文法と初歩の読解教育)を終了した、中級レベルの学習者で英語母語話者、あるいはそれに準ずる学習者を対象としています。中級の文法・文型と語彙の習得を目的とし、知識人が言語活動で用いている日本語、日常の挨拶等を中心に、改まった話し方から、友人同士のくだけた会話まで、さまざまなレベルの言語を扱っています。Volume One とVolume Two は各六課から成ります。各課の構成は、本文、会話文、単語表、練習、応用会話、単語表、応用会話練習です。